郊外の息苦しさと閉塞感

3年間神奈川の郊外に住み、郊外で働いていたことから、郊外に興味を持ち三浦展さんの「東京は郊外から消えていく」や「ファスト風土化する日本」「郊外その危機と再生」、若林幹夫さんの「郊外の社会学」などを読みました。

 

なぜ郊外にそこまで興味が出たかというと、住んでいて、何とも言えない息苦しさのようなものを感じていたからです。

 

「現在地 郊外その危機と再生」の中でも、郊外に住む独身男性は特に疎外感が強く、都市に出たときに、帰宅したくない症候群になったり、鬱っぽくなったりしてしまうということが書かれていました。

 

郊外というのは女性のための街だそうです。

 

確かに俺も神奈川の郊外に住んでいたときは、息苦しさから、毎週土日は都内の繁華街に出かけていました。

 

また時間が経てばたつほど、帰宅したくないなーと憂鬱になってきたのを覚えています。

 

その理由として、これらの本にも書かれていることですが、都市にある猥雑性の排除、人口構成の偏り、画一的な街並み、第三空間の存在の不可があります。

 

郊外は、計画的にきれいなものだけを画一的に集められた街なので、街に一切の逃げ場がありません。

 

都市に存在する汚いものには、蓋をして見ないようにしようということなのです。

 

独身の中年男性であれば、会社終わりの赤提灯での一杯や、キャバクラやスナックでの女遊び、エロDVDを見ることや、競馬、パチンコ、スロットなど猥雑性が必須になってきます。

 

また思春期の学生であっても、家庭や学校に居場所がなくなったら、都市に向かい、そこで同じような仲間と会いたまることで、都市が居場所になるのです。

 

都市がアジール(避難所)としての役割を果たしているのです。

 

郊外は彼ら、彼女らの最後の居場所すらないのです。

 

郊外は都内の上場企業などで働くアッパーミドル層が、より良い子育て環境を求めて移りすんでいます。

 

郊外の表面的な治安の良さだけを見ていると、痛い目に会うと思いますよ。

 

酒鬼薔薇がニュータウンの生き辛さから逃げて一人で過ごしていたタンク山や向畑ノ池。

 

そこは、家と学校両方に居場所がなかった彼の最後の避難所だったんだと思います。

 

ただ、それらの場所は、より孤立を深める装置として機能してしまいます。

 

もし彼にとっての第三空間が都市であったなら、ここまで自意識の膨張は起こらなかったのではないでしょうか。

 

神奈川郊外の相模大野や町田が未成年によるウリで賑わっていましたが、これも第三の居場所として、一足飛びにウリ(援交)にまで行かないといけない郊外の病理を現していると思います。




関連記事

no image

アクセスジャーナルの山岡俊介さんが松浦グループの能勢元さんに東京高裁で敗訴。

アクセスジャーナルの山岡俊介さんが松浦グループの能勢元さんに東京高裁で敗訴しました。 &nbs

記事を読む

no image

歌舞伎のキャバ嬢は接客がずば抜けてるし、歌舞伎のキャバ嬢が日本一。銀座のホステスが公務員なら歌舞伎のキャバ嬢はマッキンゼー。

今日、歌舞伎のキャバ紹介した子受かってたらいいんだけどなー。   歌舞伎はやっ

記事を読む

no image

ファミリーマートのお母さん食堂が良かった。

ファミリーマートのお母さん食堂が良かったですね。   ファミリーマートのお母さ

記事を読む

no image

金田ホールディングス、メイセー、ジーヴァエナジー社長の金田直己さん(金徳吉さん)から3630万円払え!と東京地裁に訴訟を起こされました。

金田ホールディングス、メイセー、ジーヴァエナジー社長の金田直己さん(金徳吉さん)から3630万円払え

記事を読む

no image

バブル期の三菱地所のロックフェラーセンター買収とソニーのコロンビア買収は大成功だったが、パナソニックのユニバーサルピクチャーズの買収は大失敗だったのはなぜか?

日本がバブル景気真っ只中の1989年10月三菱地所はロックフェラーセンターの14棟を2200億円で買

記事を読む

no image

トライハードグループは松浦グループ傘下企業。

トライハードグループは松浦グループ傘下企業です。 https://daiwaryu1121.c

記事を読む

no image

西麻布や南青山はヤクザや米軍を広告塔として再開発した方がいい!

町起こしってその土地に根ざしてる文化を前提にしてそこを押し出さないと絶対に成功しない。 &nb

記事を読む

no image

なぜ大阪のホームレスや日雇い労働者は激減したのか?

大阪では急激にホームレスや路上生活者がいなくなっています。   それはなぜな

記事を読む

no image

世界一の大富豪ジョン・D・ロックフェラーのお父さんはどうしようもない詐欺師だった。子ども時代は子どもの貧困状態だった。

世界一の大富豪ジョン・D・ロックフェラーのお父さんはなんと詐欺師だったそうです。  

記事を読む

no image

東京都中央区湊2丁目のパークシティ中央湊ザタワーで男性が奥さんを猟銃で撃った後に自殺。

21日午前10時10分ごろ、東京都中央区湊の36階建てタワーマンションで、「別居している夫から自殺を

記事を読む







  • チャンネル登録はこちら

     

  • 神奈川県で教師をしていました。

    モデルや女優、レースクイーン、アイドルなど芸能界で働く女性、キャバクラや会員制ラウンジ、風俗、AVなど夜の仕事で働く女性、中高生、大学生、保育士、看護師、家出少女、児童養護施設の子どもたち、シングルマザー、ヤンキー、不登校生徒、外国人、帰国子女を中心に女性を幸せにするための国際NGOだいわピュアラブセーフティーネットをやっています。

    7000人以上の女性を幸せにしています。

    国際NGOだいわピュアラブセーフティネットは相談援助活動、心理カウンセリングなど女性のための総合ソーシャルワーク団体です。

    ジャーナリストです。

    24時間365日相談受付中。

    電話相談も受付中です。

    メール=fujio1121@yahoo.co.jp

    ライン=fujio1

    メディア出演・取材協力歴

    NHKスペシャル「女性の貧困」

    NHKクローズアップ現代「子どもはどこへ消えた」

    共同通信「U30のコンパス」

    米TIME誌「女性の貧困について」

    NHKスペシャル「若者失踪3万人」

    講演歴

    日本財団

    全国妊娠SOSネットワークさん

    支援企業

    英国投資銀行バークレイズ

  • wpp header='人気記事ランキング' post_type='post,page' limit=50 range='daily' order_by='views' stats_views=0