オープンハウスが不適切営業(週刊文春)

公開日: : 不動産, 経営, 経済

大手格安ハウスメーカー「オープンハウス」の複数の営業マンが顧客に対し、住宅ローンを組んで購入した自宅を賃貸に出すよう助言し、自社の新築物件を購入するよう勧誘していることが「 週刊文春 」の取材で分かった。

 

複数の顧客が告発した。

 

住宅ローンで購入した物件を返済中に無断で賃貸に出すことは金融機関との契約違反に該当する可能性がある。

 

オープンハウスグループは1997年に創業し、2013年に東証一部(現・東証プライム)に上場。

 

上場以降、売上高の平均成長率は直近7年間で30%を超え、「行こうぜ1兆!2023」のスローガンの下、今年度中の連結売上高1兆円達成が確実視されるなど急成長を遂げている。

 

オープンハウスについては、「週刊文春 電子版」が2度にわたり、複数の物件で見つかった“欠陥”をめぐって住民とトラブルになっていることを報じてきた。

 

そんなオープンハウスの“新たな問題”について、複数の情報が編集部に寄せられた。

 

「オープンハウスの営業マンは、自社の新たな物件を買わせたいがために、私たち顧客に住宅ローンの不正利用をそそのかしている――」  

 

今回、「週刊文春」に告発したのは、同社の営業を受けたAさんとBさんだ。

 

Aさんは、2019年に大手都市銀行の35年ローンで3200万円の新築戸建て住宅を購入した。

 

東京都内のJRの駅前でオープンハウスの営業マンX氏から声をかけられたのは、「そろそろ家を買い替えようかな」と思っていた矢先の2021年のことだった。

 

Aさんが振り返る。 「案内されたオープンハウスの営業センターで、Xさんから『今の家を賃貸に出して新しい家を買いましょう!』と提案されたのです。

 

しかし、一般的に住宅ローンで購入した物件を返済中に賃貸に出すのは銀行との契約違反の不正行為。なので、私は『それはできませんよ』と断ったんです」  

 

ところが、X氏はAさんに向かってこう言ったという。

 

「私も店長もみんなやってますよ。家を買って今まで銀行員が来たことありますか? ないですよね? だから絶対バレないです!」  

 

X氏自ら“不正”に手を染めていると打ち明けた上で、「バレないから大丈夫」と言ってきたのである。

 

AさんはX氏から2、3日にわたって熱心に営業されたというが、結局、断ったという。

 

「バレた時のリスクが大きすぎる。住宅ローンの不正利用をそそのかしたのがオープンハウスでも、実際に契約違反をしたら自分自身の責任になる。そこまでして新築住宅を購入するメリットはないので……」(Aさん)  

 

Aさんが住宅ローンを組んでいる大手都市銀行にこうした行為に関する見解を問い合わせると、 「一般論として、住宅ローンは原則自身で居住いただくことが前提ですので、無断で賃貸に出していること等が判明した場合には契約違反となりますが、ご事情(編集部注:転勤などやむを得ない事情があり、かつ戻る意思が明確にある場合)によっては違反にならないケースもあるため、まずはお客さまに確認をさせて頂き、個別にご相談させて頂きます」「そうした事態(疑義)が判明した場合、まずは、お客さまや不動産会社さまに確認をさせて頂き、対応等について個別にご相談させていただきます」と回答した。

 

金融機関との契約違反になりかねない行為をオープンハウスの営業マンが指示していたことについて、ファイナンシャルプランナーの関根克直氏は問題点をこう指摘する。

 

「住宅ローンの申し込みをする際、“これは借主自身が住む物件で、賃貸に出すのはだめですよ”といったことは必ず契約書に書かれています。

 

転勤などの例外はありますが、本来、物件を賃貸に出すには金利の高い投資用ローンで購入しなければなりません。

 

もし借主がこの契約に違反してしまった場合、一般的には銀行から住宅ローンの一括完済を求められます。

 

多額のローンを返済することができず、自己破産に至るケースもある。

 

今回、オープンハウスの営業マンは借主のリスクを理解したうえで住宅ローンの不正利用を指示している。

 

これほどの大企業が、現場レベルで悪質な営業をかけていることは大きな問題といえます」  

 

X氏を直撃した。 ――住宅ローンで購入した家を賃貸に出し、別の物件を購入するよう顧客に提案したか。

 

「私自身はやったことはないです。うちの社内の『この人に物件売っていいよ』のアレが通らないですよ」

 

――Xさん自身が住宅ローンで購入した物件を賃貸に出していた?

 

「1年だけ住んで、結婚して奥さんが絶対車欲しくて、この(物件の)サイズじゃ満足いかないということで。なので、銀行さんにちゃんと話をして、売却するまでの期間だけを認めてもらっていたので。隠してやろうっていうつもりでやっていたわけではないので」

 

――不正行為になる可能性があるが。

 

「まあ、そう……だから、そこのところでいうと、確かに心は痛いですけど……(笑)。本当に大丈夫なの?って言われたら多分ダメだとは思うんですけど」  

 

改めてオープンハウスグループに事実確認を求める質問状を送ると、こう回答した。

 

「個別の取引内容については回答致しかねます。ご質問いただいた内容については事実確認を行った上で適切に対処致します」  

 

住宅ローンの不正利用を巡っては、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」で2019年から問題が発覚。

 

低金利で融資する条件が「借り手が居住する」などとなっているにもかかわらず、無断で賃貸に出したりするケースが相次ぎ、これまでに住宅金融支援機構と会計検査院の調査で200件超が不正認定されている。

 

オープンハウス側がどのような対応を取るのかが注目される。

 

現在配信中の「 週刊文春 電子版 」では、Aさんの事例に加え、オープンハウスの営業マンに「住宅ローン不正利用」を指示された結果、深刻なトラブルに巻き込まれてしまったBさんの告発を証拠音声と共に掲載中だ。

 

また、専門家が指摘する問題点と悪質性、営業マンと記者との一問一答についても合わせて報じている。

 

(週刊文春)

https://news.yahoo.co.jp/articles/04c78943faad41cae692aec67bff6d9d3dc2007c?page=1




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