イタリアマフィアがドイツでアイスクリーム屋さんを経営(クーリエジャパン)

独誌「シュピーゲル」によると、5月3日、イタリア南部のカラブリア州を拠点にするマフィア「ンドランゲタ」の一斉捜査がヨーロッパ各地で行われた。

 

その結果、イタリアでは108人、ドイツでは30人以上がマネーロンダリング、麻薬密輸、脱税、詐欺などの容疑で逮捕された。

 

この摘発は、「オペレーション・エウレカ」という数年来の国際的な捜査に基づくものだった。

 

麻薬や武器の取引などから莫大な利益を上げるンドランゲタは、ヨーロッパでもっとも裕福な犯罪組織だ。

 

しかし、厳しいマネーロンダリング規制が存在するため、彼らはその「汚れた金」を金融機関に預けたり、公に使ったりはできない。

 

そこで、同組織は世界規模で資金洗浄をしてきた。

 

なかでもドイツは、そのための一大拠点となっていたようだ。

 

独メディア「ターゲス・シャウ」によると、イタリアン・マフィアは、ドイツで数多くのレストランやアイスクリーム店などを経営するほか、高額の不動産投資で不正資金を洗浄してきた。

 

今回の捜査でも、ドイツ国内の数多くのジェラート店が摘発されている。

 

現金使用への規制がほとんどないドイツ

 

しかし、なぜマフィアはドイツを選んだのだろうか。

 

ドイツ国内で反マフィア活動をする団体「マフィア・ナイン・ダンケ」の代表サンドロ・マッティオリは、その理由は主に3つあるという。

 

ドイツは現金流通量が非常に多くて使いやすいこと、大きな金融の拠点であること、マフィアを取り締まる法律が不充分なことだ。

 

独メディア「ドイチェ・ヴェレ」によると、ドイツは他のヨーロッパの国と異なり、現金の使用をほとんど制限していない。

 

今のところ、ドイツでは貴金属を除くほとんどのものを、1万ユーロ(約150万円)までは身分証明書なしで現金で買える。

 

一方、多くのEUの国は、1回の取引における現金支払額上限を低く設定している。

 

スペインでは2500ユーロ(約37万円)、イタリアでは1000ユーロ(約15万円)、ギリシャでは500ユーロ(約7万5千円)までだ。

 

ドイツの政治家は憲法上の権利に抵触することを恐れ、現金使用の制限に消極的だった。

 

そのため、ドイツでは2023年4月までは不動産も現金で買えた。

 

だからこそマフィアは簡単に資金を洗浄できたのだ。

 

取り締まれないドイツ当局

 

イタリアン・マフィアのドイツ進出は歴史が長く、1960年代から70年代に始まった。

 

マフィアによる不動産の取得やホテル、レストラン、企業の経営はその当時からで、すっかり地域に根付いている場合もある。

 

政治的、経済的に安定しているドイツでは、投資した資金を失うリスクが低かったことも進出を後押しした。

 

1991年の東西ドイツ統一後に進出がさらに進み、旧東ドイツのチューリンゲン州にはマフィアの一大拠点ができた。

 

しかしドイツ当局が充分に取り締まらなかったため、活動規模はさらに拡大。

 

その後もマフィア対策はあまり進展していない。

 

長年マフィアの活動を調査してきたドイツ人ジャーナリストのペトラ・レスキは、マフィアを取り締まるための法律を整備する意思が政府にはないと批判する。

 

マフィアを厳しく規制するイタリアとは異なり、ドイツではマフィアが実際に罪を犯したと立証できなければ警察は動けない。

 

今回の一斉捜査にドイツ警察が参加したのは、イタリア当局が国際逮捕状を出していたからだ。

 

この捜査によるマフィア逮捕は氷山の一角にすぎない。

 

ドイツ国内には、500人以上のンドランゲタのメンバーがいると当局は発表している。

 

(クーリエジャパン)

 

ドイツではマフィアによって経営されていたアイスクリーム屋さん、洗車場、レストランなどが摘発されました。

 




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