イランとイギリス、アメリカがなぜ仲が悪いのか?の話。(広瀬隆雄さん)

公開日: : 最終更新日:2020/01/05 政治, 社会, 経営, 経済, 陰謀・謀略・未解決事件・冤罪事件

ちょっとアメリカとイランの歴史の話をしますね。

 

1901年英国の富豪ウイリアム・ノックス・ダーシーがペルシャ(=イラン)の国王から石油の探索・採掘権を買い取りました。

 

1908年に石油が発見されました。

 

これを機会にアングロ・ペルシアン・オイル・カンパニー(APOC)が創立されました。

 

後のBPの前身です。

 

当時、英国海軍は軍艦の燃料を石炭にするか、それとも石油にするかを検討していました。

 

ちょうどタイミングとしては日露戦争の後、第一次大戦の前の重要な時です。

 

当時英国海軍省総督だったウインストン・チャーチルはこのアバダン精油所の精製能力を頼って英国の軍艦の主燃料を石油に切り替えました。

 

英国政府はAPOCの重要性に鑑み、その過半数株式(51%)を取得し、英国の政府系企業とします。

 

なおイラン政府はイランのダーシーならびにAPOCに売り渡した油田からは僅か利益の16%しか受け取れない契約になっていました。

 

イラン政府は何度も比率変更を迫りますが黙殺されました。

 

1950年頃ベネズエラ政府が米企業との間で50:50の利益折半の契約を結びます。

 

サウジアラビアでアメリカ企業のコンソーシアムがサウジ政府と50:50で利益折半するという条件でアラビアン・アメリカン・オイル・カンパニー(AAOC=のちのサウジ・アラムコ)を設立しました。

 

「なぜサウジアラビアはアメリカと対等な条件に浴しているのに、我々は不平等な条件を呑まなければいけないのだ」というイラン国民の反発は強まります。

 

このときイランの選挙で首相に選ばれたのがモハマド・モサデクです。

 

彼はテヘランの裕福な家に生まれ、ソルボンヌで法学を勉強し、テヘラン大学で教鞭をとった後、政治の世界に身を投じました。

 

彼は重度の鬱病を患っており、閣議の最中に泣いてしまったり、ベッドから出る事が出来ず、寝室から国政を切り盛りしましたが、愛国心は揺るぎなく、国際情勢の把握、外交面での立ち回りなどではするどい切れ味を見せ、イラン国民からも圧倒的に支持されていました。

 

モサデクは首相になるとAIOC(アングロ・イラニアン・オイル・カンパニー=APOCから名称変更されました)との50:50の利益折半をイギリス側に要求します。

 

この要求が却下されるとモサデクはAIOCの採掘権を却下し、AIOCの国有化を宣言します。

 

言うまでも無くこの国有化宣言はイラン国民にとっては胸のすく瞬間であり、モサデクは国民の英雄になりました。

 

英政府はイラン石油のボイコットを世界の石油会社に呼びかけ、AIOCは誰も石油を買ってくれない状況に陥ります。

 

イランはたちまち輸出市場から締め出されてしまいました。

 

このためイランの石油収入は激減し、イラン経済は低迷します。

 

英政府は空軍(RAF)や海軍を使ってイランを攻撃する計画を着々と進めますが、アメリカは第二次大戦が終わったばかりのタイミングで再び中東で戦争をはじめることに難色を示します。

 

ドワイト・アイゼンハワーに対してチャーチルは「イランがどんどん共産主義に傾斜している」と吹き込みます。

 

チャーチルの「共産主義の脅威」をすっかり信じたアイゼンハワーはモサデク政権を転覆することを企てます。

 

この任務に当たったのがCIAのエース、カーミット・ルーズベルト・ジュニアです。

 

彼はテディ・ルーズベルトの孫であり、その仕事は裏金を使ってアメリカの意のままに現地の政治家を操ることです。

 

カーミット・ルーズベルト・ジュニアはイランの国王、シャーを懐柔し、傀儡政権を打ち立てることを納得させます。

 

裏金を使ってならず者達を雇い、狼藉を働いた上で「モサデク万歳、共産主義万歳!」と叫ばせ、国民に(モサデクの支持者は過激だな)という印象を演出したのです。

 

こうして混乱を演出した後で1953年8月にシャーの署名した「モサデクを解任する」というレターをモサデクに届けようとします。

 

しかしこの決定的瞬間にその使者が逮捕され、クーデターは失敗します。

 

カーミット・ルーズベルトはそこで慌てず、「クーデターの企てを阻止したとモサデク側の気が緩んでいる今こそもう一度クーデターを決行すべきだ」と判断し、3日後にもう一度政府転覆を図ります。

 

このルーズベルトの機転にはさすがのモサデクも虚を突かれ、ついにモサデク政権は崩壊します。

 

アメリカはシャー(パーレビ)を傀儡としてイランに据え、その後25年に渡ってイランは中東で最も親米的な友好国になります。

 

しかしシャーはだんだん独裁色を強め国民からは嫌われます。

 

それが1979年のイラン革命につながるわけです。

 

じっちゃま(広瀬隆雄さん)




関連記事

東海道新幹線が凄いのは港区、中央区の都心部を突っ切って東京駅に到着すること。

    東京駅はほんとに凄い! 東海道新幹線通してさ

記事を読む

中米やアフリカで新型コロナのワクチン導入に反対した大統領4人が暗殺される。

中米やアフリカで新型コロナのワクチン導入に反対した大統領4人が暗殺されています。  

記事を読む

no image

ガーシーが楽天の三木谷社長たちがウクライナの女性を集めて乱交パーティーしていたことを批判。

ガーシーが楽天の三木谷社長たちがウクライナの女性を集めて乱交パーティーをしていたことを批判していまし

記事を読む

no image

NHKニュースナインが来月から新型コロナのワクチン接種が始まりますと報じていました。

今日のNHKのニュースナインで来月から政府による新型コロナのワクチン接種が始まりますということを報じ

記事を読む

no image

テレビゲーム業界にもレトロブームが到来。最新ゲーム機ではなくファミコンやセガサターンなどで遊ぶ人たちが急増中。

いま日本では空前のレトロブームが来ているということを前回の記事で書きました。  

記事を読む

no image

横浜も特殊な街だけど、相模・多摩地区もまた特殊な街。相模・多摩・横浜内陸は小学生売春のメッカ。関西の小学生売春は京都、滋賀。

相模・多摩地区っていうのは多摩ニュータウンにもあるように山を切り開いてできたところで、ジブリの耳をす

記事を読む

no image

今東京で最も活気があり栄えている街は「新橋」。

新橋って今東京の繁華街の中でも一番栄えてるし活気がある気がします。   汐留

記事を読む

no image

GAFAMのうちアマゾンとメタ(フェイスブック)の先行きは怪しい。

業績好調なテクノロジー企業の代名詞としてよくGAFAMという言葉が言われています。  

記事を読む

警視庁組織犯罪対策第3課(組対3課)の警部補が住吉会の組長に女性をあてがわれてラブホに行く様子がフライデーに掲載。

警視庁組織犯罪対策第3課(組対3課)の警部補が住吉会の組長に女性をあてがわれてラブホに行く様子がフラ

記事を読む

no image

自殺者が増加しているというニュース、政府統計はウソの可能性が高い。

最近マスメディアが自殺者が増加しているというニュースを盛んに報道しています。  

記事を読む







  • チャンネル登録はこちら

     

  • 神奈川県で教師をしていました。

    モデルや女優、レースクイーン、アイドルなど芸能界で働く女性、キャバクラや会員制ラウンジ、風俗、AVなど夜の仕事で働く女性、中高生、大学生、保育士、看護師、児童養護施設の子どもたち、シングルマザー、不登校生徒、外国人、帰国子女を中心に女性、男性を幸せにするための国際NGOだいわピュアラブセーフティーネットをやっています。

    7000人以上の女性を幸せにしています。

    国際NGOだいわピュアラブセーフティネットは相談援助活動、心理カウンセリングなど女性のための総合ソーシャルワーク団体です。

    ジャーナリストです。

    24時間365日相談受付中。

    電話相談も受付中です。

    メール=fujio1121@yahoo.co.jp

    ライン=fujio1

    メディア出演・取材協力歴

    NHKスペシャル「女性の貧困」

    NHKクローズアップ現代「子どもはどこへ消えた」

    共同通信「U30のコンパス」

    米TIME誌「女性の貧困について」

    NHKスペシャル「若者失踪3万人」

    講演歴

    日本財団

    全国妊娠SOSネットワークさん

    支援企業

    英国投資銀行バークレイズ

  • wpp header='人気記事ランキング' post_type='post,page' limit=50 range='daily' order_by='views' stats_views=0