トミージョン手術を受けたおよそ4割が高校生以下の子どもで、小学生もいる(NHK)

公開日: : 若者, 高校生

ひじを傷めたプロ野球選手が行うことで知られる「トミージョン手術」、じん帯を切除して行う大手術ですが、この手術を行う病院を取材したところ、手術を受けたおよそ4割が高校生以下の子どもで、中には小学生もいることが分かりました。(NHK)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190731/k10012014821000.html

 

医師は「予防すれば必要のない手術であり、野球の指導者の意識を変える必要がある」と話しています。

 

群馬県館林市にある慶友整形外科病院は「トミー・ジョン手術」を行う国内でも有数の病院で、これまでプロ野球選手を含めおよそ1200件の手術を行っています。

 

このうち、10年以上にわたって600件以上の手術を行ってきた古島弘三医師が、担当した患者を分析したところ、高校生以下の子どもがおよそ4割を占め、中には小学生もいたことが分かりました。

 

トミー・ジョン手術はひじのじん帯を切除し、ほかの部分のけんを移植するもので、手術を受けた子どもの多くは投球できない状態になっていて、手術以外に回復する方法がなかったケースが多いということです。

 

古島医師は「骨ができあがっていない子どもの時期に休まずに投げすぎることで、ひじを傷めるリスクがどんどん高くなる。予防をすれば必要のない手術であり、指導者が絶対にけがをさせないというように意識を変える必要がある」と話しています。

 

強豪校に通う16歳の高校1年生の投手は、近く、トミー・ジョン手術を受けることになりました。

 

ひじに痛みを感じるようになったのは小学生の時で、中学校に入ると1試合で100球ほど1か月では合わせて試合で800球ほど投げることがあり、強い痛みを感じることも出てきました。

 

高校に入ると痛みはさらにひどくなり、病院の検査でひじの内側のじん帯についている骨がはがれていることが分かり手術が決まりました。

 

この投手は「中学では代わりのピッチャーがいないため、大会も練習試合もほぼ1人で投げていたことが原因だと思う」と話していました。

 

手術を行う古島医師によると、野球関連の新規患者が年間におよそ800人訪れますが、そのおよそ4分の3が高校生以下の子どもで、「小中学生は骨が弱いので球数を投げていなくてもひじを傷める。

 

また痛くないと言っても、検査をするとひじの骨が変形していることがたくさんある。将来を考えると痛みがなくても1回は検査を受けてほしい」と話しています。

 

古島医師がことし1月、野球チームに所属している小学生289人のひじの状態を検査した結果、過去にひじを傷めたり、現在ひじを傷めたりしている選手は89人で28%に上りました。

 

また、病院がある高校の野球選手60人を調べたところ、39人が小中学校でひじを傷めた経験がありこのうち半数近くが高校でもひじを傷めていました。

 

一方、小中学校でひじを傷めた経験のないのは21人で、このうち高校でひじを傷めたのは2人にとどまりました。

 

古島医師は小中学校の間、ひじを傷めない環境づくりが長くプレーをしていくうえで必要だとしていて、「多いのは上手な選手が試合に出続けて、けがをするパターン。

 

子どもの時に勝ちにこだわった指導をしているかぎりひじを傷める選手は減らない」と話しています。

 

子どもたちの肩やひじのけがを防ぐための球数制限をめぐっては全国で議論が活発になっています。

 

全日本軟式野球連盟は、ことしの全国大会から試合でのピッチャーの1日の投球数を70球までに制限することを決めました。

 

全日本軟式野球連盟によりますと、ここ5年間の全国大会での各チームの投球数は、1試合平均100球程度で、1人の投手が最後まで投げ抜いた試合が全体の53%に上っていて、連盟は、球数制限の導入によって投げすぎを未然に防ぐ効果があるとしています。

 

一方、競技者数の減少などで複数のピッチャーの育成が難しいチームもあるという意見もあったということです。

 

また、高野連=日本高校野球連盟も投手の負担軽減策について検討する有識者会議を設置しています。

 

6月に開かれた会議では、球数制限が必要だということで意見は一致したということす。

 

しかし、1試合ごとに球数制限をかけることについて「チームへの制約が大きい」という反対意見が出たことから、日数など一定の期間を設けて球数を制限する案を提言する方針を決めました。

 

有識者会議ではことし11月下旬までに議論をまとめ、提言を行うことにしています。

 

アメリカでは、大リーグ機構などが2014年に18歳以下のアマチュア投手のけが防止のためのガイドライン「ピッチ・スマート」を公表しています。

 

年齢ごとに1日の試合の最大投球数を定め、7歳から8歳は50球、11歳から12歳は85球、日本の高校生にあたる17歳から18歳は105球までなどとしています。

 

さらに、1日に投げる投球数ごとに次の登板までの休息期間も示していて、17歳から18歳では31球から45球で休息期間を1日間、76球以上投げると4日間の休息期間が必要などどしています

 

また15歳から18歳では、1年間に100イニングを超えて投げてはいけないことも決めています

 

古島医師は「外国では、子どもにけがをさせると指導者としてはやっていけなくなる国もある。投球数の基準をつくることで、指導者や保護者が子どもをけがから守ろうという意識が生まれてくると思う」と話しています。




関連記事

no image

「福祉」の現場で働く人には利用者の人、福祉への熱い思いを持っていてほしい。

障害者施設や児童養護施設、高齢者施設、ヘルパーさん、救護施設など「福祉」の現場で働いている人には、利

記事を読む

no image

大阪市城東区に住む飲食業の柏原龍也(22)がパトカーから逃走中に45歳の女性をはねて意識不明の重体にさせたとして逮捕(読売テレビ)

大阪市城東区に住む飲食業の柏原龍也(22)   25日、大阪市北区の商店街で起

記事を読む

no image

今こそベーシックインカム導入を!

生活保護の窓際作戦による保護を受けなければならない人が受けられない問題や、ヤクザ絡みの不正受給問題、

記事を読む

no image

最低生活費は月23万円前後。全労連が16都市で調査。都市も地方も変わらず。

最低生活費は月23万円前後。全労連が16都市で調査。都市も地方も変わらず。 https://g

記事を読む

no image

2018年度の小学生の妊娠中絶が12人!中学生は619人!

  平成28年度の小学生の妊娠中絶が年間12人にも及ぶそうです。 &n

記事を読む

no image

警視庁がトー横キッズ30人を補導(日本テレビ)

東京・新宿区歌舞伎町の一角にある未成年者のたまり場、いわゆる「トー横」周辺で25日夜から26日朝にか

記事を読む

no image

他のどのNPOや支援団体よりも家出少女や女子中高生や困っている女性の力になれる自負はある。

一年前に知り合った女子高生で路上やネットなどで神待ちのように援交をしている女の子がいた。 &n

記事を読む

no image

若者支援関係者、NPO関係者のずれた意見に本当に驚き呆れる。

児童養護施設の退所した若者や親と折り合いが悪い、縁が切れた若者が多数家が借りられなくて困っている現状

記事を読む

no image

リボ払いやキャッシングは闇金と同じ。利息制限法の上限金利を超えて取られる。

クレジットカードに関する痛くて怖い話です。   リボ払いで苦い経験した人はぜ

記事を読む

no image

夜の仕事よりも昼の仕事の方が実は稼げる。

鬱のため夜の仕事したいという相談があったが、鬱や精神疾患、発達障害のある場合は夜の仕事はやめた方がい

記事を読む







  • チャンネル登録はこちら

     

  • 神奈川県で教師をしていました。

    モデルや女優、レースクイーン、アイドルなど芸能界で働く女性、キャバクラや会員制ラウンジ、風俗、AVなど夜の仕事で働く女性、中高生、大学生、保育士、看護師、家出少女、児童養護施設の子どもたち、シングルマザー、ヤンキー、不登校生徒、外国人、帰国子女を中心に女性を幸せにするための国際NGOだいわピュアラブセーフティーネットをやっています。

    7000人以上の女性を幸せにしています。

    国際NGOだいわピュアラブセーフティネットは相談援助活動、心理カウンセリングなど女性のための総合ソーシャルワーク団体です。

    ジャーナリストです。

    24時間365日相談受付中。

    メール=fujio1121@yahoo.co.jp

    ライン=fujio1

    メディア出演・取材協力歴

    NHKスペシャル「女性の貧困」

    NHKクローズアップ現代「子どもはどこへ消えた」

    共同通信「U30のコンパス」

    米TIME誌「女性の貧困について」

    NHKスペシャル「若者失踪3万人」

    講演歴

    日本財団

    全国妊娠SOSネットワークさん

    支援企業

    英投資銀行バークレイズ

  • wpp header='人気記事ランキング' post_type='post,page' limit=50 range='daily' order_by='views' stats_views=0