特殊詐欺被害急増。昨年の8倍超(毎日新聞)
佐賀県内で特殊詐欺(ニセ電話詐欺)被害が1月以降、急増している。
県警によると、1~3月の被害額は3335万円と前年同期の8倍超。
認知件数も28件と4倍だ。これとは別にマッチングアプリなどSNSを利用した詐欺の被害額も6750万円と約7倍で、県警などが啓発活動を強化している。
「契約された有料サイトの料金が未納になっている。今日中に振り込まないと訴訟を起こす」
1月下旬、鳥栖市内の40代の女性の携帯電話に金融機関の職員を名乗る男から連絡があった。
女性は男の指示に従いコンビニで30万円分の電子マネーを購入。カード番号を教え、利用権をだまし取られた。
その後、弁護士や警察官らを名乗る複数の男から電話が掛かるようになり、女性の個人情報が流出しているのを食い止めるための「解決金」などを要求された。
女性はその都度、宅配サービスで現金を送ったり、現金自動預払機(ATM)で振り込んだり、電子マネーを購入したりした。
被害総額は1600万円。コンビニで不審に思った店員に声を掛けられたこともあったが、女性は「店員に声を掛けられたら『パソコンを購入するため』と言え」との男の指示を守り、支払いを続けた。
だが、金が工面できなくなり、女性はようやく家族に相談。
最初の電話から約3カ月たった13日に夫と鳥栖署に被害届を提出。同署で女性は「携帯電話の操作が苦手で、誤操作で有料サイトに登録したと思った。
裁判や示談金の話が出て怖くなって支払いを続けてしまった」と悔やんでいたという。
県警によると、2022年の特殊詐欺の被害額は5456万円。
今のペースだと、過去最高だった16年の2億2579万円に近づくかもしれない。
SNS利用詐欺の被害は22年に3億6138万円だったが、こちらも迫る可能性がある。
捜査の足がかりとなりそうなのは、現金を宅配サービスで送るケースだが、拠点の割り出しには至らないようだ。
鳥栖の女性が指示された送り先の住所は関東地方だったが、実際に拠点が置かれているのかも判然としないという。
このため、県警は県内で目立つ電子マネーを購入させる手口への対策として、コンビニのオーナーらに声掛けへの協力を依頼すると同時に、巡回による直接的な呼びかけなども続けている。
「ニセ電話詐欺が増えています。電話には気をつけて下さいね」
14日朝のJR佐賀駅前。
佐賀北署の高井豊署長が、高齢の女性に声を掛けた。
年金受給日を前に、署員や佐賀市職員ら13人とともに、被害防止に向けた啓発チラシを配った。
同署の井上章太郎生活安全課長は「『電話でのお金の話は詐欺』ということをもっと浸透させたい。
高齢の方には家族からも詐欺への注意を伝えてもらえると助かる」と力を込めた。
(毎日新聞)
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