鈴木涼美さんの「AV女優の社会学」を読んで。

公開日: : 書評, 社会

鈴木涼美さんの「AV女優の社会学」を読み終えました。AV業界の仕組みについてざっと書かれているので、AV業界について知らない人は興味深いと思います。

 

メインのテーマとなっている著者の主張は彼女たちがVの中のインタビューなどで自身がなぜAV女優になったのかということを内発的に湧き上がったものとして答えているのではなく、メーカーや視聴者目線に立ってメタ視点に立つことで典型的な溌剌と明るいAV女優像を事後的に確立していくということです。

 

作品ごとで動機語りが繰り返されることで、最初はメーカ―や視聴者向けに用意されていたものであったはずのものが自分の中で吸収されていくことでより「AV女優」に近づいていくということでした。

 

要は最初は普通の女の子もVのインタビューで動機語りを繰り返していくことで自然と「自由意思」の気分を持ってAV女優になっていくんですよということですね。

 

最後のページで「そしてそのAV女優たちの気分は、私たちと彼女たちを差別化するものではなく、それらが地続きであるからこそ獲得されるものなのである。少なくとも私たちの気分と彼女たちの気分が、もともと別物であったならば、彼女たちは自由意志を獲得する必要すら感じないだろう。」と書かれています。

 

著者の言う、最初は女の子がAVを始めた本当の動機(スカウトに声をかけられたから、お金がなくて)を語っていたときの普通の女の子からメーカーや視聴者、プロダクションの目を意識して語りなおされることで「AV女優」になっていくということに少し疑問を感じてしまいました。

 

 

帯文での小熊英二さんの「不可視の汚れる前の魂を探そうとした試行の記録」北田暁大さんの「紡ぎだされていく彼女たちの自由意志」 ここに違和感を感じてしまいました。

 

あまりスカウトという立場上書きづらいけど、AVをやるという子は普通の子とはどこか違うと思います。 AVというのは風俗やキャバクラと違って残るものだし、消せないものです。 普通の子がメーカーやダクションを意識して動機語りを繰り返したところでAV女優には変容しないと思のです。

 

プロダクション時点からの参与観察だと面接を通して変容したと感じるかもしれないが、スカウトから始めた参与観察だとまた違ったように感じるのではないだろうか? スカウト段階から関わっていると、はたしてそれが変容だとは感じられるのだろうか。

 

鈴木涼美さんは本著のあとがきでも書いていますが、著者自身ブルセラ女子高生でパンツを売っていて、その後慶應から東大の院に行き本も出し、立派にOLになったという自負から、ブルセラパンツ売りは転向前の宮台さんの言うように憂うべきものではないんだということを言っています。

 

ブルセラパンツ売りは現代に直すとJKリフレであり、JKパンツ小屋、JKパンツ売りになるのだと思います。 これに関しても俺は涼美さんの意見には疑問を感じます。 宮台さんのその後の調査でもブルセラ時代に持ち上げられたパンツ売り女子高生は成人後ほとんどメンヘラになってしまいました。

 

また俺自身スカウトしていると、渋谷や池袋、横浜、新宿などのパンツ小屋やパンツ売り、JKリフレ、JK散歩の女子高生と多く接触する機会がありましたが、 あの子たちはやっぱりメンヘラですよ。 普通の女子高生と同じなのかと問われたら違いますよ。

 

当時のブルセラ女子高生を俺は知らないけど、今は普通に暮らしているように見えても、本当の部分で彼女たちはメンヘラなのだと思いますよ。

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