チャイニーズドラゴンのボスの大偉(ダーウェイ)は中国で資産家となっていた。(朝日新聞)

公開日: : 最終更新日:2023/09/17 ヤクザ・マフィア, ヤンキー・半グレ

非合法ビジネス、日本人取り込む――第7部〈犯罪底流〉

 

日本で「チャイニーズマフィアのドン(首領)」と呼ばれた男は、 中国・北京の中心部から車で約50分の高級住宅街に住んでいた。

 

中国残留孤児2世らでつくるドラゴンのメンバーに「大哥(ター・コー)(兄貴)」と慕われ、 裏社会では「大偉(ター・ウェイ)」の名で知られた佐藤威夫さん(43)だ。

 

昨年1月、20年余を過ごした日本から移ってきた。

 

東北部の黒竜江省で生まれ、劉威(リウ・ウェイ)と名付けられた。

 

人民解放軍に入ったが、86年に残留孤児の母と来日した。

 

中国の小学校では、母が日本人との理由で「小日本鬼子、日本に帰れ」と殴られた。

 

歴史の授業後はとくにひどかった。

 

その後日本国籍を得た。

 

清掃会社などで働き、貿易会社をつくった。

 

東京・錦糸町を拠点に様々な「商売」を手掛け、在日華人社会で名が知られるようになった。

 

ドラゴンメンバーらと中古車を解体し、部品やタイヤを中国に輸出する商いを始めた。

 

顧客の求めに応じて盗品バイクを扱ったのがきっかけで、違法行為にのめり込む。

 

高級車や貴金属を盗み、パチンコや高速道路のカードを偽造した。

 

「金になるなら何でもやった。すべて日本の裏社会との共犯だ。中国人だけではできないよ」

 

90年代に台頭したチャイニーズマフィアのうち、中国東北部出身者のグループを率いた。

 

福建や北京、上海の他グループからもいさかいの仲裁を頼まれるなど一目置かれた。

 

頭角を現すにつれ、弟の「小偉(シアオ・ウェイ)」とともに警察の監視が強まった。

 

一方で、日本にいる中国人留学生を物心両面で支えた。

 

その数は2千人を超える。

 

05年に覚せい剤取締法違反容疑で逮捕され、1年間服役した。

 

帰国は逮捕前から考えていた。

 

「もう日本ではもうからないし、つまらない。刑務所生活は今後の構想を練るための長期休暇」と笑う。

 

現在は東北地方を中心に、都市再開発や鉄鉱石の採掘と製鉄、株式投資にいそしむ。

 

軍隊時代の友人や支援した留学生がいまの仕事に役立っている。

 

「軍や地方政府、銀行支店の上層部に入った彼らから、あらゆる情報が入る。3億円はもうけた」と話す。

 

日本にいるかつての配下に「金をためて中国に戻れ。一緒に商売しよう」と呼びかける。

 

「日本で違法行為するより、中国で合法ビジネスをする方がはるかにもうかる。日本なんてばかばかしいよ」。

 

警備員に守られ、プールとサウナのある豪邸の主は、日本で一緒に暴れた仲間たちとの第二幕を待ち望んでいる。

 

(朝日新聞)

http://www.asahi.com/special/kajin/TKY200910180105.html




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