後からわかった「就職氷河期」のつらさ 非正規問題は深刻だ。参院議員塩村文夏。毎日新聞「政治プレミア」
後からわかった「就職氷河期」のつらさ 非正規問題は深刻だ | | 塩村文夏 | 毎日新聞「政治プレミア」
私は短大を1999年に卒業した。就職氷河期と言われる世代の真ん中だ。
しかし、私だけではないと思うが渦中にいた自分自身はまったく気がついていなかった。
不景気が続き、自分が就職する時にも回復しなかった。
希望する職種はそもそも正社員の募集を見送っていた。そういうものだと思っていた。
私は学費だけは親に出してもらっていたが仕送りはなく、生活するだけで大変だった。
アルバイトを掛け持ちしながら卒業しなければとがんばっているうちに、卒業を迎えてしまった
大学の教務課に「塩村さん、なんでもいいから就職して」と言われたことを覚えている。
自分が社会に出ていく時期がとても異常だった、ということは後にならないと気がつかない。
若い時はなんとかなると思ってしまう。
「これはきつい」と思いはじめたのは20代後半になってからだ。
チラシのモデルやイベント司会など、できることはなんでもして「自動車ライター」だったこともある。
ようやく放送作家として認めてもらえるようになった30代前半。
しかし、不安定だった。
周囲も非正規が多かった。
結婚している人が非常に少ない。
結婚したとしても子どもをあきらめている。
自分も仕事をしていて食いつないではいる。頑張っているけれども、いつか限界が来ると思いはじめた。
少し上の先輩を見ているとわかってくる。そこで政治に目覚めていった。
非正規で社会に出ると、正社員になることはとても難しい。だから私の周りの多くの人は非正規のまま40代を迎えている。
40歳になって技術も身についていない。ますます正社員になれない。
そして「貯蓄がゼロ」「年金の保険料を払えていない」「退職金がない」。これでは老後は生活保護を受けるしかない。実際に知人にも「今はなんとかやっているが、老後は生活保護しかない」とあきらめている人がいる。
ようやく国もこの問題に目を向けはじめて、そのこと自体は評価できる。
4月の経済財政諮問会議で「人生再設計第一世代」と言われて、みんなも怒ったし、私も怒ったけれども、当たっているところもある。このままでは「第二世代」や「第三世代」が絶対に出てくる。
「人生再設計第一世代」は90年代半ばから2000年代半ばの10年間に高校や大学などを卒業した人々だという。
まさに私もその真ん中だ。この世代で3年で30万人正社員を増やすと言っているが、ここだけ増やしてどうするのか。
対策をして正社員が増えることは良いことだが、その分、後の世代にしわ寄せがいっては意味がない。根本的な問題に取り組まないと、世代が変わるだけになる。
「正社員を30万人増やす」というなかには、結婚で退職した女性の再就職なども含まれているという。
正しい取り組みだし、就職氷河期世代に含まれるけれども、別の問題ではないか。そんなことで数字を積み重ねて成果をアピールするのでは、かえって本質的な問題に取り組むことの妨げになる。
目の前の対策だけではなく、原因を考えるべきだ。
根源的な問題はやはり労働法制だ。
正社員を増やす方向性と、もう一つは労働流動性を高め転職を容易にする支援をしていく方向性がある。
どちらも一つの考え方だ。
自分の経験もふまえると、正社員が増えても新卒一括採用だけでは入り口で失敗するとずっとそのままだ。
終身雇用を前提とするのではなく、途中でも入れる仕組みも大切だ
どちらの方向をとるにせよ、問題は企業が労働力を安く使うことしか考えていないことだ。
その意味では派遣も問題だ。
労働者派遣法の全面改正は99年だが、当時は「高い給料をもらえるようになる」と聞いていた。全然違う。
それで結婚しない人が増え、子どもが減ったといって、人手不足だから女性活躍だ、高齢者活用だという。
根本は「安い労働力(安い賃金)」ではないか。
企業のために安い労働力を供給するという現在の法体系を変えなければならない。
今の政治は経済界のほうばかりを見ているから、その根本に切り込めない。
国会に来て、与党議員が業界や支援団体のことばかり見ていることがよく分かった。
選挙戦では多くの非正規の人から声をかけられた。
石こうで作った私の小さな像に「非正規でつらい」という手紙がついたものももらった。子どもが非正規だというお父さん、お母さんからも声をかけられた。
我々の世代はこれまでは働くのに必死だったが、ようやく大変さに気がつきはじめ、政治に関心を持ちはじめている。
それが私の当選の力にもなったと思っている。
(毎日新聞)
塩村文夏議員の素晴らしいインタビューですね。
その通りだと思います。
塩村議員は議員になる前は、さんまさんの人気番組恋のから騒ぎにも出ていて芸人以上に面白いトーク力で年間MVPに輝いています。
塩村さんのトーク力は本物だと思います。
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