児玉誉士夫さんと町井久之さんから朝堂院さんに闇の勢力図を変えたロッキード事件。

１９７３年に児玉誉士夫さんが後ろ盾となって町井久之さんが六本木に六本木TSK・CCCビルを竣工しました。

六本木交差点から徒歩１分、現在の六本木ヒルズと六本木ミッドタウンの中間地点にありました。

１２００坪の敷地内には高級クラブ、ディスコ、キャバレー、高級レストランなどが入居していました。

オープニングレセプションには園田直衆議院議員、女優の三田佳子さん、三越社長の岡田茂さん、西武の堤清二さん、野村證券の瀬川美能留さん、読売新聞社の渡辺恒雄さん、児玉誉士夫さん、岸信介さんなどが駆けつけました。

東亜ビル管理組合代表理事の宮永東野さんによるとオープン時は六本木TSKCCCビルから渋谷駅までリムジンや高級車の渋滞が出来ていたそうです。

「暗転」

栄華を誇った六本木ＴＳＫＣＣＣビルですが、１９７６年にロッキード事件が起きたことで暗転していきます。

ロッキード社が航空機の売り込みのために全日空に対して３０億円の賄賂を贈っていたことが明らかになりました。

ロッキード社に依頼されてロビー活動を行っていた児玉誉士夫さんはロッキード社から２１億円の報酬を受け取っていました。

児玉誉士夫さんから全日空の大株主でロッキード社の販売代理店だった総合商社の丸紅を通じて５億円が田中角栄さんに流れていました。

児玉誉士夫さんは脱税容疑で逮捕、起訴されました。

田中角栄さんは収賄容疑で逮捕、起訴されました。

警察による捜査のメスは六本木TSKCCCビル内にあった児玉誉士夫さんの事務所にまで及びました。

児玉誉士夫さん、町井久之さんの東亜相互企業は不渡りを出しました。

さらに同年、韓国政府、KCIA、統一教会がアメリカの政界を取り込もうとしたコリアゲート事件が起きました。

コリアゲート事件の接待の場所として児玉誉士夫さん、町井久之さんの六本木TSKCCビルが使われたことが明らかになりました。

まもなく町井久之さんは心筋梗塞で表舞台から去りました。

１９８４年、児玉誉士夫さんが亡くなりました。

１９９０年、町井久之さんの長男の２５歳の佐藤雄司さんは六本木TSKCCCビルの再建に着手します。

父親の町井久之さんを説得して、六本木TSKCCCビルに他のテナントを入れるようにしました。

東亜ビル管理組合顧問の朝堂院さんの協力のもと、朝堂院さん傘下の権藤和彦さんがワンアイドジャック、東京スポーツカフェ、プライベートアイズをオープンして一時的に息を吹き返しました。

権藤和彦さんのワンアイドジャックはイギリス、フランス、ドイツ、ロシア、カナダなどの現役モデルのホステス１００人と女性ファッション誌の有名モデルやゴールデン番組の司会をしている女性タレント、女優、アイドルなど日本人の美人を集めてオープンさせました。

海外からはバックストリートボーイズ、ジャッキーチェンが訪れました。

しかし再建の途中に町井久之さんは２００２年に他界しました。

六本木TSKCCCビルは韓国外換銀行から借りていた５４０億が返済不能となり競売にかけられることになりました。

朝堂院さんたちのグループは２００７年まで六本木TSKCCCビルの不法占拠を続けました。

２００３年には朝堂院さんの息子の松浦大助さんが六本木TSKCCCビルにクラブ「バニラ」をオープンさせました。

競売にかけられた六本木TSKCCCビルはダミー会社メデシン中村に２５２億で落札されました。

メデシン中村から辰能、トラストインベストメンツを経由して朝堂院さん傘下の双海通商に渡っていました。

テアトルアカデミーを経営する双海通商は福島県の太陽光事業で朝堂院さんの息子の松浦大助さんと組んでいました。

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２０１１年に双海通商は住友不動産に六本木TSKCCCビル跡地の土地を売却しました。