赤坂の住吉会本部事務所が解体(暴力団ニュース)
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最終更新日:2023/09/08
ヤクザ・マフィア
指定暴力団住吉会の本部事務所が入る東京・赤坂のビルの区分所有権が売却され、今年6月にビル解体工事が始まったものの、移転先が分からず暴力団対策法に基づく事務所の公示ができない状態になっている。
暴力団排除訴訟などに支障が出かねないとの指摘もあり、警視庁が移転先について情報収集を進めている。
警察当局によると、港区赤坂のビル(地上9階、地下1階建て)は1966年完工で、住吉会の関連会社が97年に地下1階から地上2階部分(計約800平方メートル)などを取得し、事務所として使用していた。
登記簿や民事訴訟の記録などによると、関連会社は2021年12月、区分所有権を港区の不動産会社に約8億円で売却した。
今年2月には、この区分所有権を含め建物すべての所有権を埼玉県内のパチンコ店経営会社が購入した。
売買に関わった仲介業者は近隣住民に「跡地は当面、駐車場として使われる」と説明。
6月下旬にビル解体工事が始まった。
暴対法と施行規則は、指定暴力団の所在地や代表者などに変更があった場合、都道府県の公安委員会が官報で公示すると定める。
捜査関係者によると、住吉会は21年12月以前から新宿区のマンション一室を事務局として使用。埼玉県日高市の建物や千葉県富里市の事務所でも会合を開いており、「現状ではいずれの施設も本部と指定できるだけの決め手がない」(捜査関係者)という。
新たな事務所を公示できなければ、暴力団排除のための民事訴訟を起こす際の訴状の送達先が不明になるなどの事態も起こりうる。
警視庁幹部は「解体されつつある建物が事務所所在地となっている現状は放置できない」とし、移転先の特定を急ぐ方針だ。
新たな事務所が判明すれば、住民が立ち退きを求めて運動を起こす可能性もあり、暴力団側は近年、事務所を秘匿する傾向にある。
暴力団対策に詳しい京都産業大の田村正博教授(69)(警察行政法)は「代表者やその居宅が明らかな場合は、事務所を特定しなくても規制を維持できるようにするなど、暴力団の実態に合わせた法改正が必要ではないか」と話している。
(暴力団ニュース)
解体工事が進む赤坂の住吉会本部事務所。
港区赤坂6-4-21ニュー赤坂マンション
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