住吉会、極東会VSスカウト会社ナチュラルで思い出される山口組VS明友会の明友会事件。
現在、住吉会、極東会、稲川会など関東ヤクザVSスカウト会社ナチュラルが勃発していますが、これで思い出されるのが山口組VS半グレ組織明友会の明友会事件です。
明友会事件は1960年7月から8月23日にかけて起こった3代目山口組VS半グレ組織明友会との抗争事件です。
この事件がきっかけとなり山口組の大阪進出の足掛かりとなりました。
「大阪電撃作戦」という映画にもなっています。
「明友会事件概要」
明友会は大阪市生野区の猪飼野地区(鶴橋、玉造、桃谷、今里、北巽、南巽、東部市場、寺田町)などの在日コリアンが中心に結成した組織です。
その後、西成区、阿倍野区、住吉区、東住吉区、中央区、北区、鶴見区、旭区、吹田市、豊中市、堺市など大阪の在日コリアンも集まって大きくなり最盛期には1000人以上の構成員を誇っていたそうです。
明友会は大阪の難波や梅田、十三など繁華街で傍若無人に暴れまわっていました。
明友会もスカウト会社ナチュラルと同じく山口組をミナミで見つけたらボコボコにする、山口組組員を猟銃で脅す、神戸の山口組の事務所前で挑発をするなどしていました。
山口組側はずっとやられっぱなしだったわけですね。
8月5日に山口組富士会・田中禄春会長がミナミの宗右衛門町にマンモスキャバレー「キング」を開店します。
9日には三代目山口組・田岡一雄組長が「キング」の開店祝いに来店し、更に田端義夫がゲスト出演しました。
田岡は、田端を労うために舎弟の織田組・織田譲二組長の運転する車で、田中と中川組・中川猪三郎組長(ボディガード役)を連れて、ミナミのサパークラブ「青い城」に向かいました。
一方、その「青い城」では明友会幹部の宋福泰・韓博英の保釈祝いが宋・韓と明友会会員4人が出席して行われていました。
そこへ田岡らの一行がボーイに案内されてテーブルに着き、宋・韓は田端の来店に気づきました。
二人は、田端にこの場で歌ってくれる様頼みましたが、ボディーガードの中川が田端は客として来店していると説明し二人の依頼を拒否しました。
更に田中が田岡を指差して山口組三代目であることを告げましたが、明友会会員の一人が中川をビール瓶で殴打します。
そこへ駐車のため別行動だった織田が駆けつけ、田中ともども明友会会員と喧嘩になりました。
挙句、宋・韓ら明友会側の6人は、「いつでも来い。相手になってやる」と言い残して「青い城」から立ち去りました。
直ぐ様、田岡は明友会との戦争を決断し、その総指揮官として若頭・地道行雄を任命します。
地道の号令一下、山口組各団体に動員令を発せられました。
一方、明友会・姜昌興会長は翌10日に「青い城」での一件の報告を受け、西宮市の諏訪組・諏訪建次組長に山口組との仲介を依頼します。
同じ10日、山口組は、大阪市東淀川区十三西之町の旅館を対明友会戦争の作戦本部とし、田中・中川、さらに若頭補佐・山本広が集まって作戦会議を開きました。
その最中に、諏訪から「姜昌興が詫びを入れてきているので、自分に仲裁を任せて欲しい」との申し出がありましたが、山本広は諏訪の申し出を拒否します。
山口組側はもう何度も明友会に挑発されたり、ボコボコにされたりして我慢が限界に達していたからですね。
同日夕方には桂木正夫、中川組組員・市川芳正、安原会会員・佐野晴義、地道組組員・福田留吉、石井組組員・平尾国人など50人が、前線本部となっていた大阪市南区炭屋町の旅館に集結します。
全員が拳銃を持参していました。
12日午前8時、山口組側が、大阪市西成区西荻町のアパート「清美荘」にいた明友会幹部・李猛を部屋ごと包囲します。
李はアパートの自室のドアにバリケードを築いて立てこもったものの、中川組幹部・正路正雄(のちの三代目山口組若頭補佐)が窓越しに李を銃撃し腹部に重傷を負わせました。
これに対し明友会も19日夜に宋・韓ら6人が、大阪市南区河原町で加茂田組組員・前川弘美ら3人を拉致、布施市足代のアパート「有楽荘」に連行しリンチを加えました。
これを聞いた姜は、宋・韓らに拉致した3人の解放を指示し、20日午前0時頃に3人は西成区山王町の加茂田組事務所に戻りました。
事態を受け、加茂田組・加茂田重政組長は組員と武器を集め、事態の急変を察知した西成警察署の包囲もすり抜けて、南区大和町に集結します。
午前6時に加茂田と加茂田組組員15人で「有楽荘」を襲撃し、明友会組員・山岸襄を射殺、李義雄の肩を切って重傷を負わせました。
終に21日に至り、姜会長以下明友会幹部15人が指を詰め、8月23日に箕面市の「箕面観光ホテル」で山口組と明友会の手打ち式が行われました。
山口組からは、中川・田中、柳川組・柳川次郎組長が出席します。
明友会側は、姜と南一家許万根組長が出席しました。
仲裁人は、別府市の石井組・石井一郎組長でした。
名目的には手打ちだったものの、明友会側が幹部15人の断指した指を持参するなど、実質的には明友会側の全面降伏に等しいものでした。
この抗争で大阪府警は、山口組側56人を殺人と殺人未遂で検挙し、最終的には組員84人を検挙しました。
このうち24人が柳川組組員でした。
この抗争での柳川組の戦功は、山口組内部で認められることとなったのです。
同年12月13日、柳川組の明友会事件での戦功により、柳川次郎の山口組直系昇格が、山口組「御事始」の席で決定し、「御事始」終了後に山口組本部事務所で結縁の盃事が執り行われました。
取持ち人は、倭奈良組舎弟の水谷奈良太郎でした。
加茂田重政は、明友会事件により懲役7年の刑を受けましたが、控訴し保釈となりました。
「明友会のその後」
その後、明友会幹部の小田秀臣が地道行雄の舎弟となりました。
小田秀臣は小田秀組として独立して4代目山口組では若頭補佐というナンバー4まで上り詰めました。
明友会幹部・金田組・金仁植組長は、田中禄春の舎弟となりました。
金仁植組長はその後、山口組直参の一心会副会長まで出世を重ねました。
明友会は消滅したのではなく、山口組の大阪部隊として存続していくこととなったのです。
「明友会事件の影響」
明友会事件で明らかになったのは在阪暴力団の弱さでした。
明友会がミナミや梅田、鶴橋などで好き放題暴れまわっていたのは大阪ヤクザが弱いことがありました。
このことが明友会事件で明らかとなり、在阪ヤクザのほとんどが消滅、山口組に取り込まれることとなったのです。
「在日コリアンの分裂」
明友会は1000人以上の大阪の在日コリアンの組織ですが、明友会と戦っていた大阪の柳川組、富士会も在日コリアンの組織でした。
そのため在日コリアンの間では在日同胞同士がなぜ殺しあわないといけないのかという意見が多くあったそうです。
明友会と柳川組、富士会が仲間になり山口組と戦えば山口組に勝てたではないかという在日コリアンも多くいました。
「明友会とスカウト会社ナチュラルの違い」
明友会事件では明友会のトップの姜昌興会長は最初から諏訪組に仲介を頼んだり、部下にリンチをやめるように言ったりするなど終始消極的な姿勢がありました。
明友会は幹部の李や宋、韓などが山口組に対してイケイケで、トップの姜昌興会長はできるだけ揉めたくないという態度でしたね。
それに対してスカウト会社ナチュラルの場合はトップの木山兄弟が住吉会や極東会、稲川会、山口組などのヤクザに対して好戦的でイケイケです。
トップである木山兄弟が主導してヤクザをボコボコにしているのです。
明友会の場合は部下が勝手に暴走していたのでそこが大きく違いますね。
また時代背景として明友会事件の当時はヤクザが1人殺しても懲役3年くらいで出てこれました。
明友会事件のときは刑罰が軽いので山口組側も躊躇なく殺しにいけたということがありました。
しかし現在は1人殺しても無期懲役など非常に刑罰が重くなっています。
また明友会が拠点としていたところは木造アパートで襲撃もしやすかったですが、スカウト会社ナチュラルは西新宿のラトゥール新宿やパークハウス60など警備員のいる高級タワーマンションを拠点としているのでセキュリティが強固でなかなか襲撃しにくいということがあります。
こういったところも半グレ組織側に有利となってしまっています。
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