山口組弘道会室橋興業(旧薗田組)の組員3人と弘道会高山組清心興業の組員1人、愛人2人によって引き起こされた凶悪事件史上最も残虐な名古屋アベック殺人事件。
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最終更新日:2024/07/12
ヤクザ・マフィア, 陰謀・謀略・未解決事件・冤罪事件
山口組弘道会室橋興業(旧薗田組)の組員3人と弘道会高山組清心興業の組員1人、愛人2人によって引き起こされた名古屋アベック殺人事件。
この事件は凶悪事件史上でも最も残虐な事件としても知られています。
名古屋アベック殺人事件とは、1988年(昭和63年)2月23日から25日にかけ愛知県名古屋市緑区の大高緑地において発生した殺人・集団強姦事件です。
被害者2人が襲撃された場所の名前から「大高緑地公園アベック殺人事件」とも呼ばれています。
2人の命をもてあそび、長時間に渡る暴行の挙句、犯罪の発覚を恐れて殺害するという少年グループの犯行の残虐さが日本社会に衝撃を与えました。
少年への死刑適用や、少年たちの無軌道・非人間的な通り魔的「狂宴的犯罪」、本事件や同年に発生した足立区綾瀬の女子高生コンクリート詰め殺人事件など、凶悪な少年犯罪が多発したことが大きな社会問題となりました。
一部マスメディアが犯行当時20歳未満の未成年者である加害者少年らの実名報道に踏み切り、少年法の見直しをはじめとした少年犯罪への対応のあり方がクローズアップされるきっかけとなりました。
「事件概要」
事件で殺害された理容師見習い女性Y子(当時20歳)は、1988年2月22日午後10時頃にいったん勤め先から帰宅し「女友達のところへ行くかもしれない」と家族に言い残し、父親所有の車トヨタ・チェイサーで外出しました。
しかしY子はその女友達の家には立ち寄っておらず、同じ理容店に勤務する交際相手の理容師男性X(当時19歳)とともに愛知県営大高緑地公園にドライブに出かけました。
Xは23日午前零時過ぎ、同室の同僚に「デートしてくる」と話して外出していました。
2月23日午前4時30分頃、県営大高緑地公園の第一駐車場でX・Yの男女2人が乗ったチェイサーを、小島茂夫を中心とする男女6人の不良少年グループ(弘道会組員)が襲撃しました。
6人は小島茂夫が所有する茶色の日産・グロリアと、近藤浩之が暴力団組員から借りたもう一台の茶色いグロリアの計2台で、駐車中のチェイサーを挟み撃ちするように停車しました。
その直後、車外から木刀で窓ガラスを割るなどして襲ったところ、逃げようとしたチェイサーがいきなりバックし、近藤浩之の車に衝突しました。
これに6人は逆上し、チェイサーの屋根の上に乗ったり、X・Y子両名を車外に引きずり出して木刀や鉄パイプなどで2人の頭や顔を殴り、現金1万円余りを奪いました。
小島茂夫らは当初金を奪おうと襲ったが、その仕打ちはどんどんエスカレートしていきました。
Xは気絶するまで全身をめった打ちにされ、Yは素っ裸にされ輪姦および全身にタバコの火を押し付けられたあげく、最後は陰部にシンナーをかけられそこに火を押し付けられるなどしました。
2人が激しいリンチの末にぐったり倒れ込んでしまい、夜が明け周りが明るくなったため、放置すればすぐ見つかって大ごとになると恐れ、2台のグロリアに連れ込みました。
そのまま、X・Y子の両名をグロリア2台の車内に拉致・監禁した上で名古屋市内などを丸一日走り回りつつ、その途中で「顔も見られている。もう殺してしまえ」と相談しました。
小島茂夫らは暗くなるのを待つために名古屋市内のカーホテルに2人を監禁し、高志健一のグロリアはチェイサーに衝突された際にかなり損傷したために修理に出しました。
24日午前4時30分頃、愛知県愛知郡長久手町(現・長久手市)長湫卯塚の墓苑「卯塚緑地公園」(東名高速道路名古屋インターチェンジ南西約1.5km)にある、弘道会の本家墓前で、小島茂夫と徳丸信久が、車外に連れ出したXの首にビニールロープを巻き付けて両側から綱引きの要領で徐々に引っ張るかたちで絞殺しました。
Xの殺害現場となったこの墓地は弘道会内の組員らが清掃に来ていたほか、元弘道会薗田組組員の小島茂夫や高志健一も来たことがありました。
Xを殺害した後に小島茂夫らは、Xの遺体を小島茂夫のグロリアの後部トランクに詰め、Y子を生かしたまま乗せ、名古屋市内の6人組の1人の自宅に戻って一泊しました。
さらに翌25日にはY子を殺害するため、かつて小島茂夫が勤めたことがある三重県上野市(現・伊賀市)付近に移動し、午前3時頃には三重県阿山郡大山田村(現・伊賀市)阿波の山林内で小島茂夫と徳丸信久がY子を同様に絞殺し、2人の遺体を近くに掘った穴に埋めました。
2日間も車で連れ回され、X共々木刀で滅多打ちにされた挙句目の前でXを絞殺されたY子は、最後には「もう私を殺して」と訴えたほどやつれ果て、犯人たちはそんなY子をパンティー一枚の姿にするとXにしたのと同様の方法で平然とロープで絞殺し、「アベックだから、面白半分でそんな姿にした」(取り調べでの供述)という理由で、穴の中にXの遺体を仰向けで下に、その上に下着1枚のY子の遺体をうつぶせに乗せ、2人とも両腕で互いの体を抱き合っている姿にして埋めました。
小島茂夫はかつて遺棄現場に近い上野市に住んでいたことがあり、大山田村の山中に遺棄するよう指示したといいます。
2人を殺害・遺棄した後、6人は名古屋市内のレストランでいったん別れ、昼には6人のたまり場だった名古屋市港区の市営南汐止荘(弘道会高山組清心興業の寮)にある小島茂夫の部屋に集結し、逃亡先を相談していたところを午後2時頃、特捜本部の捜査員に見つかり、逮捕されるに至りました。
「多数の余罪」
X・Y両名が拉致・殺害される直前にも連続して金城ふ頭でアベック襲撃事件が発生していました。
これは小島茂夫ら6人がX・Yを拉致する前日の2月22日午後10時ごろ、名古屋市中区栄のセントラルパークで顔を合わせて遊んでいるうち、少年の1人が「小遣い稼ぎに行こう」と提案したために起きたものでした。
この時は被害者の怪我も軽く、周囲も暗くて顔もはっきり見られなかったのでそのままセントラルパークに戻りましたが「もっと金が欲しい」と、別のアベックのたまり場になっていた大高緑地に向かい、惨劇につながりました。
2月23日午前2時30分頃、金城ふ頭82番岸壁に駐車中の、若いアベックが乗車した車が木刀を持った不良少年グループに襲撃され、車の後部ガラスなどを粉々に叩き割られました。
この事件では被害者がすぐに車を発進させて逃げました。
約1時間後の3時25分頃、直近の81番岸壁で別のアベックが乗車した車が襲撃されました。
この事件ではアベックは車のガラスを割られ、グループに「カネを出せ」と脅され、現金8万6000円入りのセカンドバッグや腕時計などを奪われ、木刀などで殴られ、足腰にかなりの打撲傷を負いました。
名古屋水上署は強盗致傷事件として捜査しました。
名古屋水上署によれば、襲撃グループは男6人、女2人の計8人組で、いずれも暴走族風で20歳前後であり、シンナー臭がしたといいます。
グループは白いクラウンと茶色の日産・セドリックの2台に分乗しており、車のナンバープレートはガムテープで隠されていました。
室橋興業(旧薗田組)は愛知県名古屋市中川区打出本町7-16に本部を置く暴力団で、指定暴力団・六代目山口組の三次団体です。
清心興業(せいしんこうぎょう)は愛知県名古屋市港区高木町5-6-1に本部を置く暴力団で、指定暴力団・六代目山口組の四次団体です。
上部団体は高山組です。
「少年・少女のその後」
室橋興業(旧薗田組)の組員小島茂夫と徳丸信久は無期懲役となり現在も服役しています。
室橋興業(旧薗田組)の組員の高志健一、高山組清心興業の組員の近藤浩之、筒井良枝、龍造寺リエは出所しています。
4人とも刑務所内では遺族への謝罪や賠償を口にしていましたが、出所すると遺族への謝罪には一度も訪れず、賠償金も払うことはありませんでした。
現在は4人とも結婚して子供もいて幸せに暮らしているそうです。
筒井良枝と龍造寺リエは刑務所の中で美容師の資格を取得して、出所後は美容師として働いているそうです。
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