鈴木涼美さんの「AV女優の社会学」を読んで。

公開日: : 最終更新日:2017/06/02 本・漫画・書評, 社会

鈴木涼美さんの「AV女優」の社会学 [ 鈴木涼美 ]を読み終えました。

 

AV業界の仕組みについてざっと書かれているので、AV業界について知らない人は興味深いと思います。

 

メインのテーマとなっている著者の主張は彼女たちがVの中のインタビューなどで自身がなぜAV女優になったのかということを内発的に湧き上がったものとして答えているのではなく、メーカーや視聴者目線に立ってメタ視点に立つことで典型的な溌剌と明るいAV女優像を事後的に確立していくということです。

 

作品ごとで動機語りが繰り返されることで、最初はメーカ―や視聴者向けに用意されていたものであったはずのものが自分の中で吸収されていくことでより「AV女優」に近づいていくということでした。

 

要は最初は普通の女の子もVのインタビューで動機語りを繰り返していくことで自然と「自由意思」の気分を持ってAV女優になっていくんですよということですね。

 

最後のページで「そしてそのAV女優たちの気分は、私たちと彼女たちを差別化するものではなく、それらが地続きであるからこそ獲得されるものなのである。少なくとも私たちの気分と彼女たちの気分が、もともと別物であったならば、彼女たちは自由意志を獲得する必要すら感じないだろう。」と書かれています。

 

著者の言う、最初は女の子がAVを始めた本当の動機(スカウトに声をかけられたから、お金がなくて)を語っていたときの普通の女の子からメーカーや視聴者、プロダクションの目を意識して語りなおされることで「AV女優」になっていくということに少し疑問を感じてしまいました。

 

帯文での小熊英二さんの「不可視の汚れる前の魂を探そうとした試行の記録」北田暁大さんの「紡ぎだされていく彼女たちの自由意志」 ここに違和感を感じてしまいました。

 

AVをやるという子は普通の子とはどこか違うと思います。

 

AVというのは風俗やキャバクラと違って残るものだし、消せないものです。

 

普通の子がメーカーやダクションを意識して動機語りを繰り返したところでAV女優には変容しないと思のです。

 

プロダクション時点からの参与観察だと面接を通して変容したと感じるかもしれないが、スカウトから始めた参与観察だとまた違ったように感じるのではないだろうか?

 

スカウト段階から関わっていると、はたしてそれが変容だとは感じられるのだろうか。

 

鈴木涼美さんは本著のあとがきでも書いていますが、著者自身ブルセラ女子高生でパンツを売っていて、その後慶應から東大の院に行き本も出し、立派にOLになったという自負から、ブルセラパンツ売りは転向前の宮台さんの言うように憂うべきものではないんだということを言っています。

 

ブルセラパンツ売りは現代に直すとJKリフレであり、JKパンツ小屋、JKパンツ売りになるのだと思います。 これに関しても俺は涼美さんの意見には疑問を感じます。 宮台さんのその後の調査でもブルセラ時代に持ち上げられたパンツ売り女子高生は成人後ほとんどメンヘラになってしまいました。

 

また俺自身アウトリーチをしていると、渋谷や池袋、横浜、新宿などのパンツ小屋やパンツ売り、JKリフレ、JK散歩の女子高生と多く接触する機会がありましたが、 あの子たちはやっぱりメンヘラですよ。

 

普通の女子高生と同じなのかと問われたら違いますよ。

 

当時のブルセラ女子高生を俺は知らないけど、今は普通に暮らしているように見えても、本当の部分で彼女たちはメンヘラなのだと思いますよ。

 

 




関連記事

no image

舞妓とキャバ嬢はやっていることは同じだと思う。

NHKプロフェッショナルで舞妓の特集やってたけど15歳から働いて20歳で引退する人が多いらしい。

記事を読む

no image

児童養護施設を変わりたいという相談。

児童養護施設にいる子から、今の養護施設が酷くて、東京の児童養護施設に変わりたいという相談がありました

記事を読む

no image

スイス政府の国民保護庁が警告している間接侵略がまんま日本だった笑

スイス政府の国民保護庁が警告している間接侵略がまんま日本でした笑   間接侵略

記事を読む

no image

中核派の活動家えらてんさんVS立花孝志さんが勃発!

中核派の活動家えらてんさんVS立花孝志さんが勃発しました!   &nb

記事を読む

no image

高齢者施設や障害者施設の介護士は月収200万の仕事。本当に尊敬できる凄い人たち。

現場の介護職、福祉職の方々は本当に利用者たちのために頑張っていて、気力、体力を振り絞って働いている気

記事を読む

no image

東京裁判最大の闇。東条英機は東京裁判で昭和天皇の命令で真珠湾攻撃を行ったと断言していた。

東京裁判で東条英機は判事からなぜ真珠湾攻撃の直前の御前会議で戦争をやめれなかったのか?と聞かれて、東

記事を読む

no image

特殊詐欺のリクルーター役の金地紗弓(37)を逮捕。女性専門の特殊詐欺グループを組織(日本テレビ)

特殊詐欺の受け子など、実行役に女性ばかりを採用していたとみられるリクルーターの女が警視庁に逮捕されま

記事を読む

no image

脱毛サロンに行くのは絶対にやめましょう!

前回の記事で脱毛サロンというのはポンジスキームの詐欺ですよということを書きました。  

記事を読む

no image

アベノミクスなんてたまたま奇跡的に円安になって、ギリシャ危機がなくなって株価上がっていっただけで、安倍さんの政策の結果ではないよ!

アベノミクスなんてたまたま奇跡的に円安になって、ギリシャ危機がなくなって株価上がっていっただけで、安

記事を読む

no image

渋谷、恵比寿、六本木のキャバ嬢はどこに住んでいて、またどこに住むのがベストか?

最近不動産の紹介もすごい好きです!   その人の希望を聞いてもっとも良い住む場

記事を読む




Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です




  • チャンネル登録はこちら

     

  • 神奈川県で教師をしていました。

    モデルや女優、レースクイーン、アイドルなど芸能界で働く女性、キャバクラや会員制ラウンジ、風俗、AVなど夜の仕事で働く女性、中高生、大学生、保育士、看護師、家出少女、児童養護施設の子どもたち、シングルマザー、ヤンキー、不登校生徒、外国人、帰国子女を中心に女性を幸せにするための国際NGOだいわピュアラブセーフティーネットをやっています。

    7000人以上の女性を幸せにしています。

    国際NGOだいわピュアラブセーフティネットは相談援助活動、心理カウンセリングなど女性のための総合ソーシャルワーク団体です。

    ジャーナリストです。

    24時間365日相談受付中。

    電話相談も受付中です。

    メール=fujio1121@yahoo.co.jp

    ライン=fujio1

    メディア出演・取材協力歴

    NHKスペシャル「女性の貧困」

    NHKクローズアップ現代「子どもはどこへ消えた」

    共同通信「U30のコンパス」

    米TIME誌「女性の貧困について」

    NHKスペシャル「若者失踪3万人」

    講演歴

    日本財団

    全国妊娠SOSネットワークさん

    支援企業

    英投資銀行バークレイズ

  • wpp header='人気記事ランキング' post_type='post,page' limit=50 range='daily' order_by='views' stats_views=0