岸信介とCIAの密接な関係 自民党にも金の流れ? (週刊朝日)

公開日: : 最終更新日:2019/07/08 政治, 社会, 陰謀・謀略・未解決事件・冤罪事件

岸信介とCIAの密接な関係 自民党にも金の流れ? (週刊朝日)

https://dot.asahi.com/wa/2013051700001.html?page=1

 

米国の戦後アジア政策は、米国の権益を守ってくれる、その国の「ストロングマン」を探し出すことから始まる。

 

巣鴨プリズンを釈放された岸信介(後に首相)は、「強い男」として米国保守派に見いだされ、CIAの庇護を受け続けていた。

 

実態を垣間見ることのできる「聖地」がワシントン郊外にある。

 

米国国立公文書館別館。米軍諜報組織や米中央情報局(CIA)の機密解除書類を手に取って読むことができる。

 

「岸信介」ファイルの閲覧を請求すると、30分ほどでひとつの箱が出てきた。

 

そこには一体何が入っているのか。

 

しかし、その中身は意外に拍子抜けのするものだった。

 

書類の束は薄く、CIAが作成した資料はわずか5枚しかなかった。

 

しかも岸の政治的プロフィルの紹介ばかりで、CIAとの深い関連が指摘される人物のファイルとは到底思えないようなものだった。

 

しかし、実を言えばこのこと自体が、研究者には意味をもっている。

 

「岸のCIA関係資料はほんの薄いものです。しかし、われわれにしてみれば、逆にそのことが両者の深い関係を疑わせるに十分なものになっているのです」。

 

こう語るのは、一橋大学名誉教授の加藤哲郎だ。

 

CIA内部では、各国の諜報エージェントや諜報対象者について暗号名で呼び合う。

 

日本関係には「PO」を頭につける。解明されているものの一部を挙げると、自由党総裁だった緒方竹虎はPOCAPON、読売新聞社社主で原子力委員会委員長などを務めた正力松太郎はPODAM、あるいはPOJACKPOT‐1、などだ。

 

しかし、岸については暗号名すらわかっていない。

 

加藤は、緒方や正カの分厚いCIA関係資料を手に取って見せた。

 

緒方は1千枚近く、正力は500枚ほどもある。

 

戦後の日本政界とCIAとの関係を追究してきた加藤は、岸のCIA関係資料はまだ、ほとんどが機密指定を解除されていないとみている。

 

「岸資料の5枚目のあとには、『not declassified』、まだ公開されない、という紙が1枚だけ挟まっている。この1枚の紙の後ろには、何百枚もの秘密資料があるかもしれないのです」。

 

岸とCIAの知られざる関係を追って、米アリゾナ州ツーソンに飛んだ。

 

アリゾナ大学の歴史学研究室で教鞭を執る同大教授、マイケル・シャラーは、歴史資料と学生たちのリポートの束に囲まれていた。

 

シャラーは米国務省の歴史外交文書諮問委員会委員を務め、非公開資料にも目を通していた。

 

文書を公開するかどうか国務省に参考意見を述べる立場にあった。

 

――岸元首相に対してCIAから資金提供があったという話をどう思いますか?

 

「そういう証拠はあると思う。賄賂的な意味合いよりは、派閥の運動資金や政治キャンペーン資金というような形で提供されたと理解している」

 

――資金はどのような形で渡されたのでしょうか?

 

「当時、CIAから経済団体や企業を通じて岸のほうに資金が流れたという記述を米国側の書類で私は目にしたことがある」

 

――経済団体とは経済団体連合会のことですか?

 

「それも一つだと思う。それから個々の企業と何かしらの契約を結んで資金を流していくということがあったと思う」

 

シャラーは、委員として知りえたことは具体的には明らかにしなかったが、研究者として発掘した機密解除資料については明確に語った。

 

その概略はシャラーの著書『「日米関係」とは何だったのか』にも記されている。

 

シャラーによれば、のちに岸内閣の蔵相になる岸の実弟、佐藤栄作は1957年、米国に対し何度も秘密の資金提供を要請していた。

 

このため、CIAから自民党にカネが流れ、「CIAによる資金は、1958年5月の衆議院選挙運動をはじめ、さまざまな方面に使われた」(『「日米関係」とは何だったのか』)。

 

(週刊朝日)




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