西川口で山口組組員と半グレグループが20代男性に凄惨なリンチを行い死亡させる。山口組組員に懲役20年の判決(週刊文春)

12月20日、さいたま地裁が開かれ、指定暴力団六代目山口組傘下組織組員で無職の島田一治被告(55)に懲役20年が言い渡された。

 

島田被告は2016年3月に、飲食店の従業員だった伊藤竜成さんに対し複数名で暴力を加え、その後に殺害した。

 

「島田被告らは事件を隠蔽するために、伊藤さんの遺体を魚をミンチにする機械にかけ、残材置き場にばら撒いたとされています」(社会部記者)

 

あまりに惨い殺人事件。

 

2021年11月4日、島田一治被告(54)が飲食店従業員だった伊藤竜成さん(当時24)への殺人罪で起訴された。

 

事件が起きたのは2016年3月18日未明、川口市西川口のハワイアンバー「Lapule(ラプレ)」でのこと。

 

島田被告を含め男女7人で伊藤さんに殴る蹴るなどの暴行を加え、首を絞めて殺害しようとしたという。

 

この「遺体なき殺人事件」では、被疑者の元橋純也(50代男)も殺人の罪で起訴される予定だったが、10月28日に川口署の留置場で首を吊って自殺したため不起訴となった。

 

取材班は事件現場となったハワイアンバー「Lapule(ラプレ)」の周辺を取材したが、不思議なほど近隣店舗の従業員らからは「Lapule(ラプレ)」のことは知られていなかった。

 

それには“ある事情”があったようだ。 「Lapule(ラプレ)が入っていたビルはヤクザ者が出入りしていると有名なんです。

 

このあたりのヤクザというと住吉会でしたが、ここ10年くらいで西のヤクザも徐々に入ってきた。

 

「Lapule(ラプレ)」が入っているビルにあるサウナは刺青の入ったヤクザだらけだし、中国人女性による“ヌキ”ありの違法マッサージ店もある。

 

地下にあったハプニングバーが摘発されたこともありました。

 

「Lapule(ラプレ)」はハワイアンバーということですけど本当はどうだったのか……。

 

飲食店名義だっただけで裏カジノとか風俗とかそういう店だったんじゃないかという噂も聞きます。

 

それくらい誰も知らないし、ちょっと怖いイメージがあるんですよ」(近隣店舗の関係者)

 

警察の発表によると、「殺人罪で起訴された島田被告は指定暴力団・六代目山口組系の組員だった」という。

 

「Lapule(ラプレ)」で従業員として働いていた被害者の伊藤竜成さんは、一体どんな人物だったのだろうか。

 

伊藤さんは事件当時、都内の小さなアパートに一人暮らしをしていた。

 

近隣住民によると、「挨拶もしっかりしていて、近隣の高齢者にも重いものは運びますよと声をかけるような好青年」だったという。

 

「伊藤さんがこのアパートに住み始めたのは2015年末頃から。でも2、3ヶ月ほどで姿を見なくなりました。

 

家賃も滞納していたようですし、大家さんが心配して部屋を覗こうとしたら、玄関ドアには鍵がかかっておらず開いていたそうです。

 

部屋の中には布団もなかった。

 

軽い敷物と紙袋1袋ぶんの荷物だけがあったそうです。

 

急に逃げ出すような子じゃないし、いつも夜になると川口のほうへ仕事に行っていたから、私たちもトラブルに巻き込まれたのかと心配していたんですよ。

 

ほとんど家にも帰れないくらい、忙しかったのかもしれませんね」(近隣住民)

 

実は当時、伊藤さんは川口市で活動している“札付きグループ”の末端に身を置いていたという。

 

2016年の伊藤さんへの暴行で逮捕された7人全員がこのグループの一員だった。

 

事情を良く知る人物が語る。

 

「このグループのリーダー格だったのが、島田と元橋純也です。

 

2人はお互いを“兄弟”と呼び合う仲だった。

 

元橋純也はハワイアンバー「Lapule(ラプレ)」のオーナーで、キャバクラや風俗店のためのスカウト会社も持っていた。

 

後輩への当たりが強く、理不尽なことを結構言うんですよね。

 

後輩らからは煙たがられていました。

 

2人以外の他の逮捕者は当時20代の若者ばかりです。

 

島田や元橋純也が指示を出し、亡くなった伊藤を含めた下の人間がそれをこなす、という主従関係がこのグループでははっきりしていました」

 

「グループは、日頃から犯罪行為に手を染め生計を立てていた」(同前)という。

 

活動地域は埼玉を中心に、東京の下町エリアまで広がっていた。

 

「いわゆるオレオレ詐欺などの出し子や空き巣、強盗などを行っていました。

 

薬物のプッシャーにも手を染めていました。

 

こうした犯罪行為を主犯格の指示の下、複数人で行っていたのです。

 

若い子は主に使いっ走りです。

 

手に入れた金の9割は指示役が取ってしまい、実行した子分たちは1割程度しかもらえません。

 

それでも先輩には逆らえない。

 

かなり筋の悪いグループですよ」(同前)

 

なぜ「挨拶もしっかりした好青年」の伊藤さんが、このグループと関わりを持つようになったのか。

 

取材を進めると、伊藤さんが頼っていたという高齢男性にたどり着いた。

 

男性は「彼はなんとか更生しようともがいていた」と、伊藤さんの半生について語ってくれた。

 

「彼は家庭環境が複雑でね、私が父親代わりだったんですよ。

 

私が彼と出会ったのは今から10年程前、モルモン教の教会の縁で出会いました。

 

私は入信していませんでしたが、彼は熱心に教会に通っていた。

 

なんでも、お金がないときに、たまたま出会ったモルモン教徒で20代のアメリカ人に、カレーライスをご馳走になったことが入信のきっかけだったようです。

 

彼は熱心に宗教の活動に参加して、肉体労働や人が嫌がる雑務も引き受けていました。

 

彼の住んでいる地区のトップの夫人も彼のことを気に入って『いつかはアメリカに留学させたい』とも話していたくらいですから」

 

男性によると、伊藤さんはモルモン教に入信する前に「ヤクザのようなことをしていた」という。

 

「テキヤで祭りの出店を仕切ったり、新宿で闇金の取立てをしたりね。

 

でもある時、闇金の取り立てで借主の娘を“売らせた”ことがあったそうなんです。

 

それを苦に借主の奥さんが自殺したと。彼はよほどショックだったみたいでね。

 

それで組織を抜けて、彼自身も自殺未遂をしたそうです。そういうこともあって、モルモン教に救いを求めたんでしょうね」

 

モルモン教の教会で男性は伊藤さんと出会い、伊藤さんは男性に親しみを抱くようになった。

 

出会ってからすぐ、自身の身の上話をする間柄になったという。

 

「彼は私の家に何度も遊びにきました。

 

その時には『自分には親がいない、捨てられた』『子供のころからヤクザに育てられてろくに高校もいっていない』『これまでたくさんの女性とSEXしてきた(でも愛を知らない)』『10代の頃、ヤクザの兄貴に連れられてフィリピンに行ったことがある』などと話していました。

 

彼は素直で人懐っこいのに、そんな境遇だったと知って不憫になってしまってね。

 

父親役を買って出たんです。彼が生活上必要な契約をする際には、保証人にもなりましたよ」

 

熱心に宗教活動に励んでいたという伊藤さんだが、あることがきっかけで教団を追われることになる。

 

モルモン教は婚前交際を禁止しているのだが、当時交際していた5歳年上のバツイチ女性との関係がバレてしまったというのだ。

 

「彼が追放されたのは21、22歳の頃でした。それでまた悪い道へ戻ってしまって、川口のバーで働き出した。

 

私は心配で『大丈夫か?』と連絡をいれたことがありますが、彼は『自分はヤバイかどうか見極められる目があるから大丈夫だ』と。

 

でもその後、彼から連絡は来ませんでした」

 

1度は更生を試みた伊藤さんだったが、叶うことはなく、殺人事件の被害者になってしまった。

 

男性はいまの心情を、悔しそうにこう吐露した。

 

「非常に残念です。

 

でも覚悟はしていました。

 

彼が行方不明だということは昨年春に埼玉県警の方から聞いていましたから。

 

もうこの世にいないかもしれないとも……。

 

彼にはまっとうな、ごく当たり前の幸せを味わって欲しかった。

 

彼は夢とかそんなことを語ることはなかったんですよ。

 

今を生きることでいっぱいで、視野が狭くなってしまっていたから。

 

彼の生きた24年はなんだったのか……。

 

家庭が複雑で、学校もいかず、可哀そうで仕方ないです」

 

男性は「彼は悪の道を断ち切れなかった」とポツリと呟いた。

 

残酷な手法で死体をバラバラにした“遺体なき殺人事件”。警察は引き続き、詳しい経緯を捜査しているという。

 

(週刊文春)

https://bunshun.jp/

 

このように現場にいた者たちの、殺害時の証言が一致しないが、事件当時、被害者に罵声を浴びせていたという元橋の交際相手についての認識は共通していた。

 

「元橋さんと同棲していた彼女で、マドンナから『マド』と呼んでいた」  

 

検察側冒頭陳述においても『マド』は元橋の交際相手として名前が挙がっている。

 

ところが、当の『マド』は証人尋問の際、検察官に問われても「(交際していた事実は)ありません!」と、元橋と恋人関係にあったことを、なぜか何度も否定した。

 

さらに弁護人からの質問には、元橋が生前、いかに粗暴な男だったかをノンストップで語り始めた。

 

「一緒に住んでいません! 元橋は、怖い印象。しつこい。本当にしつこい。

 

言うことを聞かないといけない状況にされた。家のガラス割って入ってきたり、金品取られたり、暴力もあった。

 

蹴る、殴る、ライターの火を押し付けられる、ライターで炙られる、首を絞められたことは何度もあります。

 

殺されるしか思っていません! 

 

裸にされたこともあります。突然です! 突然です! 殴られたり蹴られたり、突然本当に変わります」

 

だんだんと興奮してきた『マド』に、弁護人が「なぜ?」と問うと「分かりません!」と声を荒らげ、泣き叫びながら言った。

 

「もうこの質問するんだったら答えられません! こんなことであれば! 答えられません! 私もうできません!!!」

 

こうして唐突に「マド」の尋問は終わったのだった。

 

埼玉・西川口の「ハワイアンバーLapule(ラプレ)」での事件で重要な役割を担った元橋は、翌年2017年5月23日、栃木・宇都宮で男性(78=当時)宅に押し入り宝石などが入った金庫や腕時計、計500万円相当を奪ったという強盗致傷事件を起こし、2018年1月に逮捕されている。

 

これは元橋を含む7人による犯行であるとされ、逮捕者の中には「マド」もいたが、彼女は不起訴処分となり釈放された。

 

さらに元橋は宇都宮の事件の直前、福井市の男性を乗用車に監禁して市内を連れ回しながら金属バットで殴り、鼻骨を折るなどの怪我を負わせた逮捕監禁致傷の疑いで、2018年2月に逮捕。

 

そのうえ大麻を譲渡したという疑いでも逮捕された。

 

最終的に宇都宮の事件で起訴された元橋には、2018年12月14日、宇都宮地裁で懲役15年の判決が言い渡されていた。

 

「Lapule」の事件について匿名の情報提供がなされた時期でもある。

 

島田被告の控訴について、担当弁護人は判決言い渡し後「本人の意向を聞いて決める」とコメントした。

 

(週刊文春・高橋ユキ)

https://bunshun.jp/

 

西川口の半グレグループというと怒羅権、中華龍などのチャイニーズマフィアが連想されました。

 

ビルの中には中国人女性の違法マッサージ店もあったとのことなので、このグループはチャイニーズマフィア系の半グレグループだったのではないでしょうか。

 

チャイニーズマフィア系のグループであれば、オーナーの本橋純也が暴力団組員よりも立場が上であったことが理解できます。




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